Golf Note / ゴルフノート

ゴルフの練習やラウンドのこと、ゴルフの本、気になったことなどを綴りながらスコア70台を目指すブログ。PGAツアー好き。

42打目 【ゴルフ以外の本】カップに嫌われる勇気を持とう

ゴルフ以外の本を無理矢理ゴルフに結びつけてみます。はっきり言ってこじつけですが、自分の分かりやすい分野(僕で言うとゴルフ)に置き換えて考えると、難しい本も分かりやすくなる時があります。

さて、今回の本はベストセラーとなっている「嫌われる勇気」です。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え



内容はと言いますと、悩みを解決するための自己啓発本です。ある哲人の書斎を訪れた性格のひねくれた青年が哲人と対話するという形式になっています。20世紀初頭に精神科医ルフレッド・アドラーが創設した「アドラー心理学」をひもときながら、青年の疑問に対して哲人が語りかけ悩みを解きほぐしていくという内容です。


アドラー心理学の基本的な考えは以下です。

・トラウマは存在しない
・過去の原因ではなく目的が感情を作り出している
・怒りは捏造されている
・今の自分の不幸は過去の自分が選んだもの
・性格や気質は自ら選んだ「ライフスタイル」
・ライフスタイルはいつでも選び直せる
・全ての悩みは対人関係
・人生は競争ではなく前を向いて歩いているだけ
・行動の目標①自立すること②社会と調和すること
・行動を支える心理面①私には能力があるという意識②人々は仲間であるという意識
・誰かの期待を満たす必要はない(承認欲求を否定)
・他者の課題は切り捨てる
・ほめる叱るは縦の関係、勇気づけは横の関係
・自己肯定はできもしない自分に暗示すること
・自己受容はダメな自分を受け入れ上を目指すこと
・仕事の本質は他者への貢献
・人生とは今この瞬間を生きる連続する刹那である


要約すると「他人の評価は他人次第。どう思われようが自分には関係ない。過去も未来もトラウマも関係ない。今この瞬間が大切。この先どうなるかは自分次第。幸福への道は他者を仲間と見なし共同体に貢献すること。人生はシンプル」そんなところでしょうか。


アドラー心理学というものはシンプルと言いつつ難解でもあり、なかなかすぐには噛み砕けない部分もあります。トラウマは誰しもあるっちゃーありますし、そうは言っても人生は自分が気にしなくても競争の中に立たされます。承認欲求も誰だって少しは求めてます。

このように、アドラー心理学は完全に鵜呑みにするには危険な香りもしますが、良いことももちろん言ってます。その良い部分をゴルフに置き換えてみましょう。


・過去の原因ではなく目的が感情を作り出す
これはゴルフには大有りですね。例えは前のホールでスライスOBをした(過去)。今度は右に打ちたくないという「目的」が引っかけOBを生み出す、といったことですね。

・怒りは捏造されている
ミスショットしてクラブを叩きつける。この怒りの行為は「こんなミスショットは自分の実力ではないのに(本当はもっと上手いのに)」と同伴者にわかってもらう「目的」ために作り出されていると言えます。

・今の自分の不幸は過去の自分が選んだもの
コースにスタートギリギリについて朝イチショットでチョロ。これは早く到着を目指さなかった自分の過去の選択が生んだものということになります。

・ダメな自分を受け入れ上を目指す自己受容
スコア平均95の人が「今日自分はパープレイができる!」と出来もしない自己肯定するのではなく、自分の平均スコアを受け入れ94を目指す。それを繰り返している内にいずれパープレイが見えてくる、と言うもの。

・人生とは今この瞬間を生きる連続する刹那
スタートからダボ、トリ、ダボ…と過去を振り替えるでもなく、後半49で100切り出来る…と未来を見るでもなく、今この瞬間、この1打を大切にすること。舞台の上で自分にスポットライトが当たっているようなイメージ。観客席(未来)は見えないし、舞台の後ろ(過去)も見る必要はない。

・今この瞬間から変わる勇気を持つこと
アプローチやパットでカップに嫌われてもいいから届かせる勇気が大事。打てるという勇気を持つ。


そんなところでしょうか?アドラーがゴルフをやったことことがあるのかどうかはわかりませんが、もしやってたらなかなか上手だったのではないでしょうか(笑)。それくらいゴルファー心理の核心を突いていると思います。

アドラー心理学は個人的には難解であり、それはちょっとどうかな…と思う部分もあります。とは言え心理学の先生なので、良いことも沢山言ってます。そもそも読書って1冊の内2~3個ほど為になることがあれば十分、と個人的には思ってます。そう言う意味ではこの本は為になることがしっかりと書かれてあったなと思います。


最後に、「仕事の本質は他者への貢献」について。アドラーはこれこそが幸せになる唯一の方法であり、自分で自分の価値を高めるもの、みたいなことを言ってます。「仕事」と言っても業務という意味だけではありません。家事や育児、地域のコミュニティ、自分の趣味など生活全てが仕事です。

さて、僕も数年前からですが、中年という年齢に差し掛かってきて「他者への貢献ができないか」というものを考えるようになりました。とは言え、業務の仕事で大きな事業を成し遂げる能力を持っているわけでもありませんし、社会に多額の寄付が出来る訳でもありません。そこで思い付いたのが「献血」です。血であれば食って寝てればタダで作られますし(食事代はかかりますが)、身近な社会貢献にもなり、しかも数カ月おきに繰り返し行えます。そんな献血回数も、次回で10回になろうとしてます。誰かに貢献すると確かに、自分の価値が少しはあるんだなという気になりますね。


「嫌われる勇気」気になる方は読んでみてください。