Golf Note / ゴルフノート

ゴルフの練習やラウンドのこと、ゴルフの本、気になったことなどを綴りながらスコア70台を目指すブログ。PGAツアー好き。

27打目 【ゴルフの本】雨なので球聖ボビー・ジョーンズの格言に満ちた本をじっくり読みました

猛威を振るっている例の新型コロナウイルスの影響で、各種のイベントや行事が中止・延期となっております。ゴルフでも3月5日から始まる女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」が、無観客での開催予定から一転、中止という発表がありました。

僕はと言うと、今週末予定していたゴルフが延期となりました。延期の理由は単純に雨予報だったからです(笑)。また来月開催ということになりました。若干体調不良なので、延期になってラッキーでした。

ゴルフのプライベートラウンドは少人数ですし、屋外なので、いわゆる密閉された空気の淀んだ空間で人の集まる場所ではありません。もちろん、ゴルフ場でもこまめな手洗い・うがいは重要ですが、どこにも行けない今は、ゴルフをするというのも良いかもしれませんね。とにかく早く収まってもらいたいものです。

さて、雨でラウンドがなくなり、体調も不良で練習にも行けず。やることもないので、本を読むことにしました。雨の日は読書が良いですね。晴耕雨読です。読んだのは「ボビー・ジョーンズ ゴルフの神髄」です。言わずとしれたマスターズの創始者のひとりであり、球聖とも呼ばれている偉大なゴルファーです。昔読んでいだのですが、久しぶりに読み返してみることにしました。

 

ボビー・ジョーンズ ゴルフの神髄

ボビー・ジョーンズ ゴルフの神髄

 

 

ボビー・ジョーンスを簡単に紹介します。本名はロバート・タイアー・ジョーンズ・ジュニア。1902年3月17生まれ。アマチュアにして28歳のときに世界4大タイトルを獲るグランドスラムを達成。弁護士をしながらオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの設計に携わりました。クラブを14本にすることを提言したのも彼のようです。1971年12月18日没。詳しくはWikiを見て下さい。

ja.wikipedia.org

1920年代に活躍したボビー・ジョーンズですが、当時のゴルフと今とでは道具やスタイルがずいぶん違っていたかと思います。ですがクラブをスイングすること、ボールを打つこと、ラウンドでの心構えにおいて、ボビー・ジョーンズの言葉はまったく色あせていません。この本は当時新聞に寄稿したコラムをまとめたものだそうですが、読みながらラウンドしたいと思えるほど、格言に満ちています。その内容のほとんどは焼き増しされ、昨今のゴルフ雑誌などでも語り尽くされていますが、やはりボビー・ジョーンズの言葉は重みが違います。その中のいくつかをご紹介します。

◆ゴルフで難しいのは、出だしが悪い時にこの待ちの姿勢をなかなか堅持できないことだ。出だしで数ストローク、または数ホールを失って、頭に血がのぼってしまうことがよくある。それで、失ったストロークやホールを何とかしてすぐに取り返そうと、躍起になる。その結果、できもしないことをやろうとする。パーを負かそうとして、無謀なことをする。こうした失敗を重ねるにつれて、ますます深みにはまり込み、そのうちに捨てばちになり、ついにはひどい結果に終わる。

頭が痛いです(笑)。こういうことは良くあります。前半でたくさん叩いてしまい、なんとか巻き返そうとドツボにはまる。それでも大叩きしもう最後は集中も切れてヤケになる。100年前も今もゴルファーの心理は同じなんですね。

◆(前略)私の友人の言葉に見事に凝縮されている。「ナイス・ショットはまったくの偶然の産物であり、バッド・ショットはいい運動であることがわかって初めて、われわれはゴルフをマスターしたと言えるのだ」これは、コースに携えていくには、何と素晴らしい哲学ではないか!

ゴルフにはラッキーなバーディもあればカップを蹴られることもあります。時にはナイスショットが悪いライに行くこともありますし、当たりは悪くてもグリーンオンなんてこともあります。悪いことばかりに文句を言うのに、偶然のラッキーもたくさんあることを忘れてしまってはいけません。自分の出した好スコアは偶然のたまものに過ぎないということを語っています。

◆ピッチングのためのクラブも含めてアイアン・ショットの場合、体をステイ・ダウンしておくこと(起き上がらせずに、そのままにしておくこと)が絶対に必要だ。つまり、ボールを打つ際、体の左サイドが起き上がってはならないのだ。左肩、左手、それにクラブヘッドのすべてが起き上がらず、体重は、そのほとんどが左足で支えられるまで、インパクトとともに移動しなければならない。

このように、スイングについても良い言葉を残してくれています。ボールを打つ際に起き上がってはいけない、というのはよく聞く基本的なことですが、ラウンド中にどれほどこのことを忘れてしまうでしょうか。

◆ほとんどの場合、最初の直感が大事なのである。綿密に検討してはじめて、明らかになるかもしれないようなほんのちょっとした不安要素にも影響されぬほど綿密に、ゴルフ・ボールを打てるひとなどいない。一目でわかるような困難に注意しさえすれば、うまくプレーできるのである。

ボールを打って次打地点に行って、ぱっと見の直感で判断せよということですね。ライや風や打ちたい場所の状況などの判断は必要ですが、細部を入念に検証してその通りに打てる人などいない、と偉大なグランドスラマーが言っているのです。どうしてアベレージゴルファーが打てましょうか。細部を詰めれば詰めるほど、体は硬くなってうまく打てなくなるという言葉です。それは次の言葉にも、とてもシンプルに語られています。

◆ゴルフで何にもまして重要なことは、ボールを打つことであり、この明白な事実が簡単に忘れられてしまうことに驚きを禁じえない。

◆どんなゴルファーも、自分のスイングとまったく関係のないことで集中力を乱されてしまうのである。わたし自身、いったんどういうショットをすべきかを決断したにもかかわらず、ハザードについて心配することにメリットがあるかどうか何度も自問したことがある。その意味ではわたしも、他の人と同じ過ちを犯している。

まさにその通りですね。ボールを打つのがゴルフです。打つと決めたらあれこれ心配しすぎてはいけません。でもこれは自分たちだけでなく、ボビー・ジョーンズも同じ経験をしています。こう打つと決めてアドレスをしてから、右のOBがやだな、と考えても、それにはメリットがあるのかどうか(ない)、考えてもしょうがないのですね。

◆最初の数ショットは、気楽にスイングせよ。これが、わたしの常に変わらぬアドバイスである。つまり、最初のティー・ショットでは驚異的な飛距離など狙おうとせず、フェアウェイにボールを置くことを考えることだ。

スタートホールの重要なアドバイスです。ゴルフ雑誌や番組でもスタートホールの打ち方などがよく紹介されていますが、すでに100年前にボビー・ジョーンズが「気楽にスイングせよ」と、とても簡潔な言葉で教えてくれていますね。

さて、あまりたくさん紹介してもしきれないので、最後にひとつ(ふたつセットでひとつ)ご紹介します。これは僕にとってはプリントして額に入れて、家のいつも目に付く場所に飾っておきたいくらいの言葉です。

◆左腕が真っすぐに伸びていれば、多くの望ましい成果が達成され、あるいは、少なくとも望ましい成果が得られるようになるだろう。まず、第一にそしてもっとも大事なことは、バックスイングの開始からインパクトまで、左腕をまっすぐ伸ばした状態を保つことである。そうすればスイングの弧を非常に大きく描くことができ、持てるパワーを増大することができる。同様に、左肘が曲がらない限り左肩と左手との間の距離は一定しているので、左腕を真っすぐに伸ばしておけば——しかも、これしか方法はないのだが——何度も繰り返せるスイングの弧の位置が定まる。また、左腕を真っすぐに保っておくには、右腕はリラックスし、左腕の動きに進んで従う追随者的な状態になっておくことが必要である。

◆(前略)しかし、われわれの目的は(中略)単に左腕を伸ばすことではないということを、われわれは忘れてしまっているのではないだろうか。確かに、左腕を伸ばせば、理想のスイングを実現する助けにはなる。しかし、左腕を伸ばすことそれ自体は、理想でも何でもない。

左腕を伸ばしておけば(左肘を曲げなければ)、いつも再現性の高いスイングが得られ、パワーも最大限生かせるということです。僕は左肘がインパクトで曲がるクセがあるので、この部分は暗唱できるくらいにしておきたい気持ちがあります。ただし、一辺倒に左腕を伸ばすというのは目的ではないということですね。大事なのはスイングしてボールを打って、目的地点に運ぶことです。

このように格言に満ちた本となってます。アベレージからシングルまで、またはプロにまで参考になる一文が必ずあると思います。数年に一度は読み返したい本ですね。ところで、本には天才や偉人が数十年、または一生をかけて研究したことが、数時間で読めるものにまとまられているので良いですね。気になった方は、ぜひ読んでみてください。

 

ボビー・ジョーンズ ゴルフの神髄

ボビー・ジョーンズ ゴルフの神髄